発売1年で百貨店・海外へ。「拭くだけ30秒」の美容液洗顔MiR、94.8%美容液成分の3in1クレンジングを男女2名で検証

「朝の洗顔に、水を使わない」。
そんな新しいスキンケア習慣を打ち出すブランドが、発売から1年で販路を大きく広げている。
株式会社MiRが展開するスキンケアブランド「MiR(ミアー)」は、メイク落とし・洗顔・ブースター(導入)の3役を1本にまとめた「MiR アクアクレンジングセラム」を2025年9月4日に発売。

美容液成分94.8%を配合した、とろみのある拭き取りタイプのクレンジングで、コットンに含ませて肌を拭くだけ。洗い流しもW洗顔も必要なく、朝は約30秒で洗顔からスキンケアのファーストステップまで完了するという。
当初はAmazonを中心としたオンライン販売だったが、2026年2月には楽天市場へ進出。
さらに2026年8月19日から25日には、札幌三越でブランド初となる百貨店POPUPを開催し、北海道へ初上陸した。
現在は日本国内だけでなく、「Tiny Japan Charms」を通じてシンガポール、マレーシア、ベトナムでも取り扱いを開始している。
2025年に誕生した新興スキンケアブランドが、わずか1年でECから百貨店、さらに海外へ。
その中心商品は実際にどこまで使えるのか。
レビュー特化メディア「REVIEW PRESS」は2026年9月3日、「MiR アクアクレンジングセラム」を男女2名で使用し、クレンジング力、美容成分、保湿感、時短性、コストパフォーマンスの5項目から検証した。
2025年創業、1商品から始まったスキンケアブランド
株式会社MiRは2025年1月設立。
代表を務める熊谷真理氏自身の肌荒れ経験と、アメリカ・ドイツで美容を学んだ経験をもとに誕生したブランドだ。
ブランド開発の原点となったのは、熊谷氏がドイツで出会った「洗い流さないクレンジング」だった。
ドイツをはじめ硬水地域では、水で何度もすすぐ代わりにミセラーウォーターなどを使ってメイクや汚れを拭き取る方法が広く利用されている。
熊谷氏はドイツ移住後にこうしたクレンジングを取り入れ、その後ミュンヘンでエステティシャンとしてさまざまな肌に触れた経験から、スキンケアで「何を与えるか」だけでなく「どう落とすか」が重要なのではないかと考えるようになったという。
そこから約2年半をかけ、日本人の肌や使用環境に合わせて開発されたのが「MiR アクアクレンジングセラム」だ。
「拭き取り=夜」ではなかった 購入者の声から“朝洗顔”へ
興味深いのは、ブランド側が最初から現在の使い方を想定していたわけではないことだ。
発売当初は、主に夜のクレンジング用途として商品を訴求していた。
しかし2025年9月の発売後、「朝の洗顔に使うとラク」「拭いたらそのままスキンケアへ進める」といった利用者の声が集まったことから、MiRは「拭くだけ30秒の朝洗顔」という新たな使い方を積極的に提案するようになった。
一般的な朝洗顔では、
顔を濡らす
↓
洗顔料を泡立てる
↓
顔を洗う
↓
すすぐ
↓
タオルで水分を拭く
と複数の工程が必要になる。
MiRの場合は、コットンへ液を含ませて拭き取るだけ。
水ですすがず、そのまま次のスキンケアやメイクへ進める。
洗顔料そのものではなく、朝の身支度にかかる「工程」を削減する商品として支持が広がった形だ。
2026年8月には札幌三越へ ECブランドが初の百貨店出店
発売から約11カ月後の2026年8月には、大きな転機を迎えた。
8月19日から25日の7日間、札幌三越 本館1階 化粧品イベントスペースで期間限定POPUPを開催。
MiRにとって北海道初上陸であり、同時にブランド初の百貨店出店となった。
オンラインを中心に販売してきたブランドにとって、百貨店で商品を直接試せる機会を設けた意味は小さくない。
特にMiRは、一般的なさらさらしたクレンジングウォーターとは異なる美容液のような「とろみ」を商品の特徴としている。

そのため、テクスチャーや拭き取った後の感触など、ECの写真や文章だけでは伝わりにくい部分をリアル店舗で体験してもらう狙いがあった。
POPUP期間中には熊谷氏自身も店頭に立ち、15分間のパーソナルポイントメイクを無料で実施した。
東南アジア3カ国にも進出、発売1年で海外販売へ
ブランドの展開は国内だけではない。
MiR公式サイトによると、日本の商品を海外へ届けるECサービス「Tiny Japan Charms」を通じて、
シンガポール
マレーシア
ベトナム
での取り扱いも開始した。
商品自体も、硬水地域で使用される拭き取りクレンジングから着想を得ており、硬水環境でも使用できるよう非イオン系の洗浄成分を採用している。
海外生活での経験を起点に日本で開発された製品が、発売から約1年で再び海外市場へ向かい始めた格好だ。
美容液成分94.8%、「洗う」より「落として満たす」
商品のニュース性を支えているのが、通常のクレンジングとは異なる処方設計だ。
MiR アクアクレンジングセラムは、美容液成分を94.8%配合。
保湿・整肌成分として、
- エクトイン
- セラミドNP
- セラミドNG
- セラミドAP
- ナイアシンアミド
- 3-グリセリルアスコルビン酸
- ハトムギ種子エキス
- サッカロミセス溶解質エキス
- グルコノバクター/ハチミツ発酵液
などを組み合わせている。
特に、3種類のヒト型セラミドを採用している点が特徴。
「メイクや皮脂を落とすことだけ」に特化したクレンジングではなく、拭き取り後のうるおい感まで含めて設計されている。
ブランドが掲げるのは、「落とす×満たす」という考え方だ。
12人対象の試験では、6時間後まで角層水分量が上昇
メーカーは保湿感を感覚だけで訴求しているわけではない。
サティス製薬研究所が20~59歳の日本人女性12人を対象に行った角層水分量測定試験では、製品使用後、6時間後まで角層水分量が使用前より上昇していることが確認されたとしている。
もちろん12人を対象とした試験であり、すべての利用者へ同じ結果を保証するものではない。
それでも、「クレンジング=使用後は乾燥しやすい」という従来のイメージに対し、落とした後の水分量まで検証していることは商品設計を象徴するデータといえる。
「拭き取りは摩擦が心配」だから、とろみを加えた
日本で拭き取りクレンジングを広げるうえで、大きな障壁となるのが「摩擦」のイメージだ。
コットンで肌をこすると負担になるのではないか。
そこでMiRが採用したのが、一般的なクレンジングウォーターとは異なるとろみの強いテクスチャー。
ヒドロキシエチルセルロースやキサンタンガムなどを使用し、コットンと肌の間に液体のクッションを作りやすい処方にしている。
REVIEW PRESSが実際に使用しても、さらさらした水を含ませたコットンで拭く感覚とは異なり、美容液に近い厚みを感じた。
男女2名とも、拭き取り時の摩擦感は比較的気になりにくいという評価だった。
ナチュラルメイクなら1回、濃いメイクには注意
では肝心のクレンジング力はどうか。
REVIEW PRESSでは、実際にメイクをした状態で検証。
日焼け止め、ファンデーション、フェイスパウダーなどを中心とするナチュラルメイクであれば、1回の拭き取りでも比較的すっきり落とせることを確認した。

一方、落ちにくいリップや濃いアイメイクでは2~3回程度の拭き取りが必要になるケースもあった。
そのため、ウォータープルーフマスカラなどを日常的に使う場合は、ポイントメイクリムーバーとの併用が現実的だ。
「強力なオイルクレンジングの代用品」というより、ナチュラルメイクから朝洗顔までを1本でカバーする設計と考えた方が近い。
使用後は「フェイスパック後」のような保湿感
男女2名で使用して特に印象的だったのが、拭き取り後の感触だ。
一般的なクレンジングでは、メイクを落とした直後から肌が乾燥したり、早く化粧水をつけたくなったりすることがある。
MiRは逆に、拭き取った後にもかなりしっとりとした感触が残った。
REVIEW PRESS編集部では、「フェイスパックを外した直後に近い感覚」と評価している。
一方で、洗顔後にキュッとしたさっぱり感を求める人には好みが分かれそうだ。
保湿感が残る分、使用直後には若干のしっとり感やベタつきを感じる。
「皮脂を全部落としたような爽快感」を求める商品ではない。
8つのフリー処方、ただし“無香料”ではない
処方面では、
エタノール
パラベン
石油系界面活性剤
鉱物油
合成着色料
合成香料
シリコーン
合成ポリマー
を使用しない8つのフリー設計を採用している。
ただし、合成香料不使用=無香料という意味ではない。
ベルガモット果実油、レモン果皮油、オレンジ果皮油、ローズマリー葉油などの精油が配合されており、実際にはシトラスやハーブを感じる香りがある。
REVIEW PRESS編集部でも「爽やかなシトラス系」と感じた。
香りのある化粧品が苦手な場合は、この点を確認しておきたい。
250mL・3,280円、「クレンジング単体」で見ると高め
価格は250mLで3,280円(税込)。
ドラッグストアでは1,000~2,000円台の大容量クレンジングウォーターも多く、単純な「メイク落とし1本」として比較すれば低価格ではない。
一方で、
メイク落とし
+洗顔
+ブースター
を1本で済ませられ、W洗顔も不要。
特に朝は水ですすいだりタオルで顔を拭いたりする工程自体を省ける。
REVIEW PRESSでは、こうした削減できる時間やアイテム数まで含め、コストパフォーマンスだけでなく「タイムパフォーマンス」が高い商品と評価した。
“風呂キャンセル界隈”や防災まで、用途が広がる水なし洗顔
水を使わないという特徴は、単なる朝の時短だけにとどまらない。
MiRでは、
外出先
旅行・出張
サウナやジムの後
育児中
入院時
水を使いにくい環境
災害時
などでの利用も想定している。
2026年には「風呂キャンセル界隈」という言葉が浸透するなど、疲労や時間不足から入浴・洗顔そのものを負担に感じる生活者の存在も可視化されている。
そのなかで、「洗面台へ行かなくても顔を清潔にできる」という機能は、美容だけでなく生活用品としても意味を持ち始めている。
もちろん、災害時専用品ではない。
しかし、水が自由に使えない状況でも洗顔・拭き取りができる点は、通常の洗顔フォームにはない特徴だ。
発売1年、“商品を売る”から“習慣を売る”ブランドへ
MiR アクアクレンジングセラムが2025年9月に発売されてから約1年。
その間に、
Amazonで発売
↓
利用者から「朝洗顔」という使い方が広がる
↓
楽天市場へ出店
↓
ブランド初の百貨店POPUPを札幌三越で開催
↓
シンガポール・マレーシア・ベトナムへ販売拡大
と、短期間で販売チャネルを広げてきた。
興味深いのは、商品カテゴリーそのものを広げるより先に、1本のクレンジングについて使う場面を増やしていることだ。
夜はメイク落とし。
朝は30秒洗顔。
外出先では拭き取り洗顔。
旅行では硬水環境への対応。
水が使えない場面では簡易的なフェイスケア。
「クレンジングを売る」というより、水ですすぐことを前提としてきた洗顔習慣そのものを変えようとしている。
「洗顔=洗面台」の常識は変わるか
今回REVIEW PRESSが男女2名で実際に使用した結果、ナチュラルメイクであれば十分なクレンジング力を確認でき、美容液のようなとろみと、使用後の強い保湿感も特徴的だった。
一方、濃いポイントメイクには専用リムーバーが必要になる場合があり、さっぱりとした洗い上がりを好む人には向かない。
万能なクレンジングではない。
それでも、
顔を濡らす
泡立てる
洗う
すすぐ
タオルで拭く
という工程を、
コットンで拭く
まで短縮したインパクトは大きい。
スマートフォンや家電では「多機能化」によって日常の工程が削減されてきた。
美容でも同じように、クレンジング・洗顔・導入美容液という複数の工程を1つへ統合する動きが進んでいる。
2025年にAmazonから始まり、発売1年で百貨店と海外へ進出したMiR。
「洗顔は洗面台でするもの」という当たり前をどこまで変えられるのか。
“拭くだけ30秒”という新しい朝習慣が定着するか、ブランド2年目の展開にも注目したい。

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