“自宅を試着室”に。KENPOGEN(健歩源)、靴ECの「サイズが合わない」問題を解決

提供:REVIEW PRESS
洋服はネットで買えても、「靴だけは店舗で試着してから」という人は多い。
足長だけでなく、足幅、甲の高さ、かかとの形、靴下の厚みなどによって、同じ23.5cmでも履き心地が大きく変わるからだ。
そんなECで靴を買う際の“サイズ不安”そのものを購入体験から減らそうとしているのが、レディースシューズブランド「KENPOGEN(健歩源)」だ。
同ブランドでは、購入前に公式LINEから専任スタッフへ足のサイズや特徴を伝え、無料で相談できる「サイズ相談サービス」を展開。
さらに購入後も、条件を満たせばサイズ交換時の往復送料を無料とし、30日間の返品・交換制度を設けている。公式サイトではこの仕組みを「自宅でゆっくり試せる、大人の靴選び」として打ち出している。
つまり、
購入前にサイズを相談する
↓
自宅で実際に履く
↓
合わなければサイズを交換する
という、実店舗の試着に近い流れをEC上で作ろうとしている。
では、肝心の靴そのものは本当に履きやすいのか。
レビュー特化メディア「REVIEW PRESS」は、KENPOGENの「スクエアトゥパンプス」と「ダブルバックルローファー」を実際に着用。
23cmと23.5cmの履き比べや、6cm・7.5cmという高さのあるヒールでの歩行、クッション性、長時間着用時の疲れ方まで検証した。
靴ECの弱点を「売る前」と「売った後」の両方から対策
KENPOGENは、パンプス、ローファー、ブーツ、サンダル、インヒールシューズなどを展開するレディースシューズブランド。
現在の公式サイトでは250点を超える商品を掲載し、通勤向けのパンプスからカジュアルシューズ、本革モデル、晴雨兼用シューズまで幅広く展開している。
特徴的なのが、商品ラインアップだけではなくサイズ選びに対するサポートだ。
購入前には、普段履いているパンプスやスニーカーのサイズだけでなく、
足長
足囲
足幅
幅広
甲高
扁平足
などの情報を公式LINEから伝えて相談できる。
必要に応じて、足を上から撮影した写真や甲の高さが分かる横向きの写真を送ることも可能だ。写真の提出は任意となっている。
靴のECでは、商品ページへ「普段通りのサイズがおすすめ」と書くだけでは個人差を吸収しきれない。
KENPOGENはそこへ人によるサイズ相談を組み込んだ。
サイズ交換は往復送料無料
それでも、実際に履いてみなければ分からないことはある。
そこで購入後にはサイズ交換制度を用意している。
現在、会員登録をしたユーザーは、規定を満たしたサイズ交換について往復送料が無料。
商品到着後は室内で試着し、サイズが合わない場合にはカスタマーサポートへ連絡して交換手続きを行える。
公式サイトでは30日間の返品・交換制度も案内。
屋外で着用した商品や、汚損・破損した商品、事前連絡なしで返送した商品などは対象外になるが、通販で購入した靴を自宅でフィッティングして判断する仕組みを整えている。
「ネットで靴を買う」のではなく、ネットで取り寄せ、自宅で試着する。
ECにおける靴の買い方そのものを変えるアプローチといえる。
REVIEW PRESSは23cmと23.5cmを実際に履き比べ
では、サイズ相談や交換制度が必要になるほど、同じ靴でもサイズによって履き心地は変わるのか。
REVIEW PRESSでは、普段23.5cmを履くレビュアーが「スクエアトゥパンプス」の23cmと23.5cmの2足を実際に履き比べた。

結果は分かりやすかった。
23cmでは、素足・ストッキング・薄手の靴下でぴったり。
23.5cmでは、普通からやや厚めの靴下を履いた状態でちょうどよかった。
わずか0.5cmでも、どのような状態で履くかによってフィット感が変わる。
これは、「普段23.5cmだから今回も23.5cm」というサイズ選択だけでは判断しきれないことを示している。
ネットで靴を買う際に、着用する靴下まで含めてサイズを選ぶ必要があることが実機検証でも確認できた。
6cmパンプス、高さの内訳は「外4cm+内2cm」
今回検証したスクエアトゥパンプスは税込9,980円。
4cmと6cmの2タイプがあり、REVIEW PRESSではブラック・6cm・23.5cmを中心に検証した。

興味深いのが6cmタイプの構造だ。
6cmすべてを外側のヒールで作るのではなく、
外ヒール4cm
+
インヒール2cm
という構成になっている。
外から見るヒールは極端に高くない。
しかし靴内部でさらに2cm高さを加えることで、合計6cmのスタイルアップを狙う。
メーカーは、外ヒールとインヒールを組み合わせることで傾斜をなだらかにし、見た目の高さと歩きやすさを両立する設計としている。
6cmでも「高さより柔らかさ」が先に来た
REVIEW PRESSが実際に履いた際、最初に感じたのは高さよりも足あたりの柔らかさだった。
アッパーはキルティング調のマイクロファイバー素材。
履き口やかかと周辺にも柔らかな素材とクッションを使用しており、硬いパンプスの縁が足へ当たるような感覚は比較的少なかった。
中敷きにも適度なクッション性がある。
つま先はやや細く見えるものの、扁平足気味のレビュアーでも強い窮屈感は感じなかった。
REVIEW PRESSによる評価は、
サイズ感・フィット感:4.0
足あたり・クッション性:4.5
歩きやすさ・安定感:4.5
素材・つくりの品質:5.0
などとなり、総合4.43/5.0だった。
ただし「6cmならスニーカー並みに疲れない」わけではない
実使用ではデメリットも確認された。
6cmという高さがある以上、長時間歩き続けるとスニーカーより疲れやすい。
通勤やショッピング、食事などの日常的な移動では大きな問題を感じにくかったが、一日中歩き回るような用途ならスニーカーの方が適しているというのがREVIEW PRESSの評価だった。
「ヒールなのに疲れない」という表現をそのまま受け取るのではなく、
高いヒールの中では歩きやすい
と考える方が実態に近い。
購入者からも「最初から靴擦れしなかった」
公式サイトに投稿された購入者の口コミでも、特徴的だったのが「靴擦れ」に関する評価だ。
REVIEW PRESSが確認した口コミでは、
購入直後からかかとが擦れなかった。一日中履いても足が痛くならなかった。普段と同じサイズで問題なかった。中敷きが柔らかかった。
といった趣旨の声が見られた。
一方、足の形には個人差がある。
口コミが良いから同じサイズを選べば全員に合うという意味ではない。
だからこそ、KENPOGENがサイズ相談と交換制度を同時に用意していることに意味がある。
もう一足は“7.5cmローファー”
さらにREVIEW PRESSでは、パンプスより高いヒールを持つ「ダブルバックルローファー」も検証した。

価格は税込9,760円。
ヒールは5cmと7.5cmから選択でき、今回使用したのはブラウン・7.5cm・23.5cmだった。
ローファーというと、一般的には低いヒールを想像しやすい。
KENPOGENは逆に、ローファーのデザインを残しながら大幅なスタイルアップを狙う。
それでも高いヒール特有の不安定さを抑えるため、接地面の広い太ヒールを採用している。
7.5cmでも評価4.71、「フィット感」は5.0
実際に履くと、足へのフィット感はかなり高かった。
素足でも、靴下を履いた状態でも足に沿いやすく、歩行時にかかとが浮いて脱げる感覚はほとんどなかった。
中敷きや足に触れる部分も柔らかく、ローファーで感じることがある硬い圧迫感も比較的少ない。
7.5cmという高さながら、太ヒールによる横方向の安定感も確認できた。
評価は、
サイズ感・フィット感:5.0
足あたり・クッション性:5.0
歩きやすさ・安定感:4.5
デザイン・合わせやすさ:5.0
素材・つくりの品質:5.0
などとなり、総合4.71/5.0。
今回検証した2足では、ローファーの方が高評価となった。
それでも7.5cm、長時間なら疲れる
一方で、ここでも高さによる限界はある。
7.5cmヒールなので、長時間履けば当然疲労感は出る。
REVIEW PRESSでは「7.5cmの割には疲れにくい」と評価したものの、長時間着用時の快適さは4.0/5.0だった。
つまり、「高ヒールなのに疲労ゼロ」ではない。
高さを確保しながら、太ヒール、柔らかな素材、クッション、フィット感によって疲れ方を抑える
という設計だ。
「走れる」という購入者の声も
ローファーの公式口コミでは、
旅行で履いても疲れなかった。久しぶりに高いヒールを履いたが快適だった。歩いても脱げにくかった。靴擦れしなかった。
という評価が確認された。
中には「履いたまま走れる」とする購入者の投稿もある。
もちろん、「走れる」は個人の感想であり、スポーツ用途を想定した靴という意味ではない。
それでも、7.5cmという数字から想像する履きにくさと、実際の購入者・編集部評価には一定のギャップがあった。
約1万円、“高ヒール=特別な日の靴”から日常用へ
今回の2足は、スクエアトゥパンプス:9,980円、ダブルバックルローファー:9,760円と、いずれも約1万円。
ブランド側が想定しているのは、結婚式など限られたイベントだけではない。
通勤。
会議。
ランチ。
ショッピング。
休日のお出かけ。
といった、日常生活での使用だ。
そのため、単純に「脚を長く見せる」だけではなく、
歩行時に脱げにくい。
履き口を柔らかくする。
中敷きへクッションを入れる。
太ヒールで安定させる。
と、高い靴を日常で履くための設計へ重点を置いている。
海外系ECブランドへの「本当に届く?」という不安
KENPOGENについて検索すると、「怪しい」という関連ワードを気にするユーザーもいる。
REVIEW PRESSの記事でも、実際に「怪しくないの?」「本当に届くの?」という購入前の疑問を検証テーマの一つにしている。
同ブランドの販売会社として掲載されているのは、上海玉瑪偉ネットワークテクノロジー株式会社。
中国系のグローバルフットウェアブランドという位置付けになる。
一方、日本向け公式サイトでは日本語のカスタマーサポート、公式LINE、返品・交換窓口を設置。
返品・交換時の返送先も大阪府交野市として案内している。
今回REVIEW PRESSでも実物2足を受け取り、サイズ違いまで含めて検証している。
少なくとも「サイトだけ存在して商品が届かない」といった形のサービスではないことは確認できた。
靴通販は「サイズ表を詳しくする」だけでは足りない
ネット通販で靴を売る場合、これまでは商品ページへ
22.5cm
23cm
23.5cm
とサイズを掲載し、足幅や寸法表を詳しくすることが基本だった。
しかし、実際には今回の検証のように、同じ人でも薄手のストッキングなら23cm、厚めの靴下なら23.5cmと適正サイズが変わる場合がある。
そこでKENPOGENは、
サイズ表
+
購入前の人による相談
+
購入後の自宅試着
+
無料サイズ交換
まで購入フローに組み込んだ。
ECの次の競争は「買いやすさ」から“失敗しにくさ”へ
ネット通販は長年、
価格が安い。
商品数が多い。
24時間購入できる。
という「買いやすさ」で実店舗との差を広げてきた。
しかし靴のように、実際に身体へ合わせなければ判断できない商品では、それだけでは不十分だ。
KENPOGENが強化しているのは、購入ボタンまでの導線ではなく、購入をためらう理由を消す導線だ。
サイズが分からなければ相談する。
届いたら家で試す。
合わなければ交換する。
さらに、今回REVIEW PRESSが実際に6cmパンプスと7.5cmローファーを履いた結果、どちらも高いヒールながら柔らかな足あたりと安定感を確認できた。
一方で、長時間歩けばスニーカーより疲れる。
足の形によってサイズ感も変わる。
実使用では、商品ページだけでは分からない弱点も確認された。
だからこそ、通販の靴選びに必要なのは「絶対に失敗しない靴」ではなく、失敗しても修正できる購入体験なのかもしれない。
“店舗で履いてから買う”から、“自宅で履いてから決める”へ。
ファッションECの中でも難易度が高かった靴市場で、購入前相談と交換制度をどこまで標準化できるのか。
KENPOGENの取り組みは、オンラインでの靴選びが次の段階へ進みつつあることを示す一例となりそうだ。

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